問題:(完全オリジナル問題)Aらが、B国に抗議するために、B国大使館前を通るデモ行進の許可申請をしたところ、C県公安委員会は、B国大使館を通らないルートで行うこと、という条件を付して許可を与えた。Aらとしては、このような条件付きの許可には納得いかず、取消し訴訟を提起することを考えている。Aらは、許可全体につき争う必要があるか、それとも条件部分についてのみ争うことが可能か。理由と結論を40字程度で記述しなさい。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
Aらに対してなされた条件付き許可の条件部分は、行政行為の
(①負担部分②付款③補助部分④留保)と呼ばれている。
このような付款は、行政行為の主たる意思表示に付加された従たる意思表示と定義され、条件、期限、負担、撤回権の留保、法律効果の一部除外の5種類ある。
今回は、この5種類のうちの
(①条件②期限③負担④撤回権の留保)の事例である。
条件というのは、条件成就により、当然に行政行為の効力が発生又は消滅するものをいうため、今回は5分類における「条件」の事例ではない。
行政行為にあたって相手方に特別の義務を課す「負担」の事例である。
そして、付款に対する争い方としては、一般的には、付款と行政行為の本体とが
(①可分②密接③同一目的④無関係)
ならば、付款を独立して取消訴訟の対象にすることができ、
逆に付款と行政行為の本体とが不可分であれば、行政行為自体を対象とするほかないものと理解されている。
本件においては、B国への抗議デモは、B国大使館前を通ることに目的の大半がある(特定の場所における表現行為にこそ意味がある)と認められるため、そのルートについても許可の本体部分と評価でき、付款と行政行為の本体とは
(①可分②不可分)と考えられる。
従って、条件付き申請許可処分を拒否処分と捉え、申請拒否処分の取消訴訟や付款の変更を求める義務付け訴訟を提起する必要がある。
(解答)
②③①②
・4問20点。均等配点。