問題:(完全オリジナル問題)内閣総理大臣の異議の制度というのは、執行停止の申立てがあったとき、又は執行停止の決定があったとき、内閣総理大臣が異議を述べると、執行停止はできなくなり、またはすでになされた執行停止決定を取り消さなければならないとして、執行停止の最終決定権を内閣総理大臣に留保している制度である。この制度は、執行停止制度濫用を防止し、行政の円滑性を保護しようとしたものであるが、他方で、行政権のトップが司法に口出しをする訳であるから、権力分立に反する、あるいは裁判を受ける権利が十分に保障されなくなるため、違憲の制度であるとの批判は絶えない。このような批判に応え、違憲性は完全に払しょくされていないまでも、内閣総理大臣の異議権の行使には、要件が付されている。この要件とはなにか、40字程度で記述しなさい。
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前フリは長かったが、ただの条文問題である。
内閣総理大臣の異議は、問題文にもあるように、執行停止決定前にも決定後にも行使できるため、時期的な要件はない。
また、異議を述べることができる対象についても、執行停止全般を対象としており、この点についても要件は設けられていない。
行政事件訴訟法27条6項は、内閣総理大臣は、
(①やむをえない場合②公共の福祉に重大な影響を及ぼす場合③緊急避難の場合④重要な利益に関する場合)
でなければ異議を述べてはならないとしている。
また、行政事件訴訟法27条2項は、内閣総理大臣の異議は、
(①書面でなす必要がある②公表される必要がある③報道される必要がある④理由を付す必要がある)
ものとしており、
この理由の中において、
(①やむをえない事情②公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのある事情③重要な利益に関する事情④緊急性の高い事情)
を示す必要があるものとされている。
以上が、内閣総理大臣の異議の行使に付されている要件である。
(解答)
①④②
・3問20点。均等配点。小数点第一位を四捨五入。