問題:(完全オリジナル問題)夫Aが死亡し、その相続人は妻Bと子のC・Dである。Aは、子Cを特に可愛がっていたため、遺産は6割をCに与え、Bには3割、Dには1割を与える旨の遺言を残していた。BもCを可愛がっており、この配分に不満はないが、Dは当然不満である。遺産総額が1億円であったとすれば、Dは、いかなる権利を行使することにより、あといくらの遺産を得ることができるか。ただし、租税を考慮に入れる必要は無い。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
ごく簡単な計算問題である。Dは、子であるから、相続人であると同時に、
(①被相続人②特別相続人③遺留分権利者④代襲相続人)
である点が解答の出発点である。
遺留分とは、被相続人の財産の中で、法律上その取得が一定の相続人に留保されていて、被相続人による自由な処分に対して制限が加えられている持分的利益をいう。
遺留分を有している者は、遺留分侵害行為に対して、自己の財産的利益の回復を図ることができる権利を有する。この権利を
(①遺留分返還請求権②遺留分減殺請求権③遺留分侵害排除請求権④遺留分妨害予防請求権)
という。
遺留分を侵害する行為も有効であり、遺留分を侵害された者が回復を希望する場合には、その回復を図ることができるというシステムになっている。
総体的遺留分は、大体の場合において2分の1である。正確には直系尊属(親など)のみが相続人である場合は全財産のうちの3分の1が総体的遺留分で、それ以外の場合すべてが2分の1である。大体の場合が2分の1と覚えていればそれでいい。
つまり、1億のうちの5000万円が遺留分の対象なのである。
そして、個々人の具体的な遺留分、すなわち個別的遺留分は、法定相続分に従って分けられる。本件では、妻Bが2分の1であり、子C、Dは4分の1ずつである。
そうすると、5000万円×4分の1=1250万円がDの個別的遺留分である。
そして、Dは遺言により1000万円が遺贈されているので、結局あと
(①500万円②250万円③50万円④0円)
請求できることになる。
(解答)
③②②
・3問20点。均等配点。小数点第一位四捨五入。