問題:(完全オリジナル問題)Bは、A所有の甲建物を賃借していたが、Aの承諾を得て甲建物をCに転貸した。ところが、BがAに対して賃料を支払わなくなったので、AはBに催告のうえ、賃貸借を解除した。この場合、Aは転借人Cに対して解除を対抗できるだろうか。理由と結論を40字程度で記述しなさい。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
賃貸借契約が終了すると、賃借人は目的物の使用権限を失うので、転借人に使用させることができなくなる。
そのため、転貸借契約は履行不能となって終了する。これが、筋道を通した場合の帰結であり、Cとしてはこの帰結を回避するべく理屈を立てる必要がある。
では、転借人Cは545条1項但書の
「(①第三者②利害関係人③権利者)」
にあたり、解除権の効力がCには及ばないという理屈はどうだろうか。
これは認められない。
545条1項但書が定める解除によって権利を害されない「第三者」というのは、賃貸借契約によって取得された権利を目的として新たな利害関係を取得することが必要であり、
転借人が得ていた利益は、賃借人の占有の範囲内で転借人の占有も適法化されるという反射的利益にすぎないため、新たな利害関係とはいえないからである。
次に、転借人Cにも解除は対抗されうるとしても、転借人も賃貸借契約の解除について第三者弁済を賃借人Bの意思に反してでもなしうる程度には利害関係を有しているため、賃貸借契約の解除をCに対抗するには、Cへの催告も必要であると主張することが考えられる。
この点について、判例は、転借人への催告は、
(①必要②不要)
であると明言している。
学説の多くは、この立場に反対し、転借人に代位弁済する機会を与えるべきだと考えているが、未だ判例の採るところではない。
よって、Cには転借権を守る手段がなく、AはCに対して賃貸借契約の解除を対抗できる。
(解答)
①②
・2問20点。均等配点。