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意思表示(初級)


問題:(司法試験平成11年度第2問改題)民法の規定によれば、詐欺による意思表示は取り消すことができるとされている(961項)のに対し、法律行為の要素に錯誤がある意思表示は無効とするとされている(95条本文)。この「詐欺による意思表示」と「要素の錯誤のある意思表示」は、962項、3項の有無により効果面で差が存在するが、これはどのような考え方に基づいて生じたものといえるか。40字程度で説明しなさい。

 

(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)

 

詐欺による意思表示と、要素の錯誤のある意思表示とは、ともに表意者の真意に反する意思表示であるという点において共通する。

 

しかし、詐欺による意思表示は、

(①瑕疵ある意思表示②効果意思の不存在③表示意思の不存在④意思の不存在)であり、

 

要素の錯誤のある意思表示とは、

(①瑕疵ある意思表示②効果意思の不存在③表示意思の不存在④意思の不存在)

である点において区別される。

 

これは、契約などの意思表示の外観はあるが、それに対応する意思が存在しないのか、存在するが瑕疵がある場合なのかを区別しているのである。

 

ちなみに、要素の錯誤のある意思表示は、効果意思の不存在である内容の錯誤と、表示意思の不存在である表示の錯誤があるため、意思の不存在と定義するのが正しい。

 

さて、話を戻す。このような区別から、何が導けるのかというと、詐欺による意思表示は、瑕疵があるとはいえ、意思は存在するため、

(①表意者の静的安全②動的取引の安全)がより重視される。

 

その結果、9623項のような相手方や第三者保護規定がおかれているのである。

 

他方、要素の錯誤のある意思表示は、意思自体が不存在であるため、

(①表意者の静的安全②動的取引の安全)

がより重視される結果、9623項のような規定がおかれていない。

 

これが、(2014年)現在の民法の規定の考え方である。もっとも、余談ではあるが、このような考え方は克服される傾向にあり、現在進められている民法改正では、錯誤も無効ではなく取消となるようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解答)

①④②①

420点。均等配点。

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