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婚姻の有効性(初級)


問題:(完全オリジナル問題)X男は、Y女と交際していた。Xの就職を機会に、XYは同棲生活を始めたが、婚姻には至らなかった。その後、YXの子Aを出産し、仕事の都合でXと別居した。それから約2年後、XB女との結婚話がまとまり、Yに関係の解消を申し出た。Yは、せめてAを嫡出子にしてほしいと懇願したので、Xはそれを了承し、いったんXYの婚姻届を提出し、Aを入籍させた上で、直ちに離婚するという便宜的手段をとることにした。しかし、実はYは離婚するつもりはなく、離婚届にサインをしない。Xは、自分には婚姻の意思がなかったため、Yとの婚姻は無効だと主張しようと考えているが、このような主張はできるか。理由と結論を40字程度で記述しなさい。

 

(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)

 

民法は、婚姻届を役所に提出する届出婚主義をとっている。届出婚主義の下では、婚姻意思には2つの側面がある。

 

1つめは、社会生活上夫婦と認められる関係を作ろうとする意思である。これを実質的意思という。

 

2つめは、婚姻届を提出しようとする意思である。これを形式的意思という。

 

判例は、婚姻が有効に成立するためには、

(①実質的意思のみ②形式的意思のみ③両方の意思)

が必要であると考えた。

 

生活事実の無いところに法的関係を認めるべきではないと考えたからである。

 

判例は、実質的意思について、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思と表現している。

 

そして、本件の事例のような子に嫡出子としての地位を得させるためだけの婚姻の届出について、真に夫婦関係の設定を欲する効果意思はなかったとして、婚姻を

(①無効②有効③効果不帰属)

と判断している。

 

よって、Xは婚姻の無効を主張できることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解答例)

③①

220点。均等配点。

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