問題:(完全オリジナル問題)民法463条1項は、民法443条を準用している。そのため、保証人は、主たる債務者に、弁済するに際しては事前・事後の通知をすることが要求されている。この事前・事後の通知は各々いかなる趣旨によって要求されているものだろうか、40字程度で記述しなさい。なお、解答に際しては、事前の通知を前者、事後の通知を後者と表現してよい。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
保証に関する問題である。保証は、平成21年、平成24年と出ているため、本試験で出る可能性は低いが、1問だけオリジナル問題として本問を作成した。
事前の通知をしなかった保証人は、主たる債務者が「債権者に対抗することができる事由を有していたときは、」「その事由をもって」免責を得た保証人に対抗することができるという不利益を受ける。
つまり、保証人の債権者への保証債務の弁済は有効であるが、その後保証人が主たる債務者に求償しようとする際、主たる債務者が債権者に対抗できた事由(債権者に対する債権との相殺等)を保証人にも主張できることになってしまう訳である。
ここから、事前の通知が要求されている趣旨は、
(①主たる債務者の債権者への権利行使の機会を保障しよう②主たる債務者の二重弁済の危険を防止しよう)というものであることが分かる。
他方、事後の通知をしなかった保証人は、主たる債務者が保証人による保証債務の履行を知らずに、自己の債務を履行した場合、有効とみなすことができることとされている。
つまり、主たる債務者の弁済が有効とされる結果、保証債務の弁済行為が反射的に無効となり、保証人は主たる債務者に求償することができず、債権者に対して不当利得の返還を請求するほかない立場に置かれる。
ここから、事後の通知が要求されている趣旨は、
(①主たる債務者の債権者への権利行使の機会を保障しよう②主たる債務者の二重弁済の危険を防止しよう)
というものであることが分かる。
これら二つが、通知が要求されている趣旨である。
(解答)
①②
・2問20点。均等配点。