問題:以下に引用する消防法29条1項による消防吏員・消防団員の活動(「破壊消防」と呼ばれることがある)は、行政法学上のある行為形式(行為類型)に属するものと解されている。その行為形式はどのような名称で呼ばれ、どのような内容のものと説明されているか。40字程度で記述しなさい。
消防法29条1項
消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
行政法学上の行為類型を聞かれているため、まずは「破壊消防」という行政行為の性質を考える必要がある。
消防法29条1項は、「~~必要があるとき」には、一つ前の行政行為(の不履行)を媒介することなしに、いきなり「土地」の「使用」等のような財産権を侵害する強制措置を認めている。
このように、行政上の強制措置の中でも、緊急性が特に高い場合を想定しているため、行政行為による義務の設定を介在することなく、いきなり法律に基づいて直接物理的な強制力を発動する行為形式を
(①直接強制②行政罰③即時強制④執行罰)という。
即時強制はこの場合のほかにも、警察官職務執行法に基づいて警察官が犯罪行為を制止する場合や感染症防止法に基づいて知事が感染症患者を強制入院させる場合などがある。
他方、直接強制は、行政行為により義務が課された者が、義務を履行しない場合に、行政が直接、義務者の財産等に実力を加え、義務内容を実現する手段である。
この二つをきちんと区別するには、行政上の強制措置は、行政上の強制執行・行政罰・即時強制の3つに分類でき、直接強制は行政上の強制執行の一類型であるという大枠を把握しておくべきといえる。
(解答)
③
・1つ20点。