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刑法マンガ記事公開方針1(2/1)

 

衝撃的な一報が、今朝入ってきました。

安倍首相のおっしゃるように、極めて卑劣な行為であり、強い憤りを覚えます。

また、強く非難されるべきは、ISILという器のみであり、日本政府やヨルダン政府を批判する見解に私は与しません。

このHPは、政治的意見表明の場ではないと位置づけておりますので、私の政治的スタンスを表現するのは、なるべく避けてきましたし、これからもそのようにするつもりですが、これだけは我慢できませんでした。

日本政府が公式に確認を表明したわけではありませんので、これ以上言及するのは控えますが、本当に衝撃を受けました。

 

「テロ」、「誘拐」を連想させるような記事の公開は、今まで自粛してきましたが、引き続き今月も自粛します。

来月以降にどうするかは、また来月に判断します。

それ以外の刑法記事につきましては、順次公開していきますが、少し線引きに苦慮しているのが実情です。

 

刑法マンガ記事の下書きが数記事分終わりましたが・・・(1/26)

 

「厨二病棟」様から掲載許可を頂いた4コママンガを利用しての記事、とりあえず4記事の下書きは終わりましたが・・・

 

厳しい環境ですねぇ。いや、ホント・・・

逮捕罪・誘拐罪を扱う際のマンガで、誘拐のシーンが出てくるんですよね。

というか、キャラの一人のお名前が、テロみちゃんなんですよね。

少なくとも今の時期はテロみちゃんが出てくる部分は、私は自主規制すべきでしょうかね。

 

フジテレビも、アニメ暗殺教室の第3話が、ナイフ振り回しているシーンがある、というだけで放映中止したらしいですし、悩むなぁ。

(まだ死亡が確定した訳ではございませんが、)湯川さんのご親族のお気持ちに配慮するなら、一定期間自主規制すべきだし、

表現の自由が、あんな卑劣な誘拐に屈する訳にはいかないというなら、公開すべきだし、

こんな小さな一個人のサイトで公開しようがしまいが関係ねぇよ、という気もするし、う~ん・・・。

 

とりあえず、テロみちゃんが出てこないマンガを更新しましょうかね。(先延ばし

テロみちゃん関連のマンガを公開する場合は、また私自身の考えを整理して、載せてから公開することにいたします。

 

「厨二病棟」様ありがとうございます(12/5)

 

うひょ~!!

 

ゴホッ!グヘッ!・・・キャラを間違えました。

 

本日、「厨二病棟」を運営しておられる「ぱげらった」様より、一部のマンガコンテンツ使用のご許諾を頂きました。

直接メールにて御礼申し上げましたが、この場にて改めて御礼申し上げます。

本当に有難うございます!

 

 

「厨二病棟」様は、裏サンデーに「オエカキスト!」をご連載されている、もっともっと前から楽しく拝見させて頂いておりました。

長編漫画の「MUSHIKAGO」が私は一番好きです、はい。とても感動しました。

その作者様とメールさせて頂くだけでも畏れ多いのに、マンガの使用を許諾して頂けるとは!

感謝感激です。

 

この厨二病棟様のマンガコンテンツを利用させて頂いて、刑法概念の入門的な記事を書かせていただきます。

今年中に着手できるかは、少し分かりませんが、遅くとも来年の2月ごろまでには全記事を書き終えたい、と考えております。

 

それでは、今後とも宜しくお願いいたします。

本当にありがとうございました!

 

 

 

 

 

行政書士40字書評等を追加しました(12/3)

 

行政書士試験に関する情報ページがあまりにも見辛いものであったので、

少し更新させて頂きました。

 

また、以前から書き溜めていた40字対策の参考書についての書評を公開することにしました。

あくまで、私の意見に過ぎない、という点は注意してくださいね。

 

参考書のオススメ紹介記事】に載せましたので、お時間のございます折に、ご一読くださいませ。

 

 

H26年行政書士記述解説(11/18)

 

昨日、行政書士試験研究センターさんが、問題を公表されたようですので、

本日、平成26年度行政書士試験の40字記述式問題の解説を書いてみました。

 

前回申しましたように、問題使用許諾を得ていませんので、全文引用は避け、

著作権法で認められる範囲の部分的な引用にとどめております。

 

平成26年度第44問(地方自治法)解説

平成26年度第45問(民法①)   解説

平成26年度第46問(民法②)   解説

 

・・・う~ん、民法の1問めを張り切りすぎてしまった。

(当日追記: 自分で読み返して、誤りを3つくらい発見してしまった・・・。既に修正しました。)

 

何かご指摘、ご意見、ご感想等ございましたら、この下のコメント欄か、「お問い合わせ」よりお願いします。

 

11月後半の作業予定(11/15)

 

ふぅ・・・会社法の用語解説が一段落しました。

マンガを作成された方から本HPにおける使用を許諾されたファイルは、あと20個程度あるのですが、

まぁ「ステークホルダー」や「自己資本」、「TOB」など、少し会社法学習としては、重要性が落ちるものですので、時間が空いたときにちょくちょく作成していこうかな、と思います。

 

 

11月後半は、基本的には、(新サイトを含めた)宅建関連のコンテンツ作成を進めるとともに、

本HPにおいては、行政書士関連情報記事の作成を進めます。

とりあえず、書評や勉強法とかの(よくありそうな)記事とかですかね。

アフィやネット広告は、一切貼りませんが、私自身の作品の紹介文を一番下に書かせて頂く予定ですので、そこはご容赦くださいませ。

 

あと、平成26年度行政書士試験の40字記述式の解説も書きます。

しかし、これだけの為に、今までのように、わざわざ行政書士試験研究センターさんの問題使用許諾をとるのは面倒なので、

問題全文の引用はせず、研究センターさんの過去問題掲載ページへのリンクを貼るにとどめた上で、解説を書くつもりです。

(解説に必要な範囲で、著作権法で許された範囲の部分的な引用は行います

来週の月曜以降にセンターさんが問題公表するって書いてますんで、問題の公表を私が認識し次第、解説書いてみます。

 

今のところ、問題を知る術がなく、予備校さんの解答速報でしか輪郭を知りえないのですが・・・記述式・・・地方自治法ですか、そうですか・・・

 

有限会社とは(11/15)

 

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(マンガ:まんがで気軽に経営用語 様)

 

フランクな社長さんですよね。社員ものびのび仕事ができそうです。

さて、有限会社について説明しますね。

有限会社というのは、「有限会社法」に基づいて設立される営利社団法人です(旧・有限会社法1条)。

現在では、「有限会社法」は廃止されていますので、新しく有限会社を設立することはもはやできません。新設された「会社法」下においては、同じことをしたいなら「株式会社」を立てれば出来るようになっているし、そうすべきだと考えられているからです。

 

ですので、現存する有限会社は、「有限会社法」が廃止される前に設立された有限会社です。

「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(略して整備法)」という長ったらしい名前の法律によって、その当時「有限会社」だった会社は、「特例有限会社」として存続することを許され、無くなっちゃった「有限会社法」の実質的な適用があるように配慮されています。

 

とはいえ、「株式会社」と「特例有限会社」でそれほど大きく規制が異なる訳ではありません。歴史に目を向ければ簡単に分かりますので、少しご説明します。

 

そもそも、旧・商法で「株式会社」は、大衆の遊休資本を結集する装置として、でっかい企業が利用する会社形態として想定されていました。

そして、大衆の資本を結集するために、所有と経営を分離させるという法技術を用いたのですが、これには当然リスクがあります。経営者が好き勝手しちゃう、というリスクです。(ここら辺は、「所有と経営の分離」や「コーポレートガバナンス」の記事でもう少し詳しく取り扱っています)

このリスクの発症を防ぐための規制が旧・商法には数多く設けられていました。マンガにありますように、「株式会社」を立てるための最低資本金が1000万円だったというのも、その規制の一つです。

もっとも、中小企業にとっては、この様々な規制が却って障害となり、なかなか株式会社形態を利用できなかったのです。とはいえ、合名会社や合資会社という会社形態は、「有限責任」ではない社員の存在が前提にありますので、こちらもおいそれとは利用できません。

そこで、中小企業が「会社」形態を利用できるようにするため、「株式会社」に関する規制より若干緩めた規制にしつつ、「有限責任」を認めた「有限会社」を観念したのです。

(より正確には、物的会社の典型であった従来の「株式会社」と人的会社の典型である「合名会社」のちょうど中間くらいの「会社」形態として、「有限会社」は観念されています。なお、「有限責任」の意味については、「合資会社」の記事において詳しく説明させて頂いております。)

ところが、「有限会社」は、「株式会社」のブランド力には遠く及ばず、流行りませんでした。せっかく中小企業用の「会社」制度を作ったのに、あまり利用してくれなかったのです。

これでは、問題の解決にはなりませんから、旧・商法・第二編の「会社」に関する規定が、新たに「会社法」として独立する際、「有限会社法」を廃止する代わりに、「会社法」に「有限会社法」の考え方を大いに取り込みました

そして、「株式会社」を(大衆の遊休資本の結集という理念を背景とした)大企業だけが利用するようなものとして観念する事はやめて、ほとんどの企業が利用できるけれど、規模に応じて規制が異なるものとして観念したのです。

 

つまり、「株式会社」は基本的にはどんな企業でも利用できますよ~、でも「公開会社」なら「取締役会」置いてくださいね~(会社法327条1項1号)、「大会社」なら「監査役会」や「会計監査人」も置いてくださいね~(会社法328条1項)、というような規制にしたのです。

 

そして、既に存在する「有限会社」については、いつでも定款変更して商号を変更し、その旨の登記さえすれば、「株式会社」になれるし、「特例有限会社」として存続してもいいよ、ということになったのです(整備法45条1項)。

長くなりましたが、「特例有限会社」と、(「有限会社法」の趣旨を取り込んで、再定義された現在の)「株式会社」では、規制が異なる理由があまりない、という事はこれで分かって頂けたのではないでしょうか。

 

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(もう一歩前へ)

 

「株式会社」と「特例有限会社」の規制はほぼ同じですが、少し異なる点があります。
その中でも比較的重要な点について、見ていきましょう。

 

(1)役員の任期

 

まず、役員の任期に関する規制が異なります。

株式会社では、取締役の任期は、公開会社であれば最長2年、非公開会社であれば最長10年です(会社法332条)。また、監査役の任期は、公開会社であれば4年、非公開会社であれば最長10年です(会社法336条)。

特例有限会社では、「特例有限会社については、会社法第332条、第336条及び第343条の規定は、適用しない」(整備法18条)とされているので、取締役も監査役も任期の規制はありません。つまり、わざわざ役員の変更登記をする必要がない訳です。

 

(2)株主総会以外の機関の設置

 

株式会社では、「株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人又は委員会を置くことができる」としています(会社法326条2項)

特例有限会社では、「特例有限会社の株主総会以外の機関の設置については、会社法第326条2項中「取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人又は委員会」とあるのは、「監査役」とする」となっています(整備法17条1項)。
つまり、特例有限会社を利用しているのは中小企業だけなので、そんなに複雑な機関の分化は必要なく、「株主総会」、「取締役」、「監査役」さえ置くことができれば、それで十分なのです。

 

・・・大きな差異は、この程度です。まぁこの差はほんと大した差じゃないです。
今回の内容で大事なのは、有限会社と対比することで、改めて「株式会社」の概念を自分の中で整理することだと思います。

「所有と経営の分離」とはいうけれど、小中規模の企業をも取り込んだ概念として再定義されたことで、必ずしもすべての「株式会社」が「所有と経営の分離」がなされている訳ではありません。「所有と経営の分離」がなされる可能性がある、というのが現在の「株式会社」の法制度上の特徴なのです。

合資会社とは(11/13)

 

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(マンガ:まんがで気軽に経営用語 様)

 

・・・合資会社のエッセンスがきちんと入っている上、綺麗にオチてますね~

 

さて、合資会社です。

「無限責任社員」と「有限責任社員」の2種類の社員からなる会社形態です。

この2種類が理論上必要なので、他の会社形態とは異なり、社員は1人以上ではなく、2人以上必要です

 

えっと、ですね。合名会社も合資会社も現実には「無限責任」が怖すぎてそんなに利用されていません。「無限責任社員」のなり手がいない、という事です。

もっとも、「合名会社」は、人的会社の典型例として、物的会社の典型例である「株式会社」と好対照であったため、学習する意義がありました。
しかし、「合資会社」は、このような意義すらありませんので、ぼぉ~っと読み流してくださればそれで結構です。

 

合資会社というのは、「無限責任社員」が経営する事業に、「有限責任社員」が資本を提供して、その事業から生ずる利益の分配を受けようというシステムです。

 

旧商法下では、このようなシステムである事をそのまま反映して、無限責任社員が会社の業務執行権、代表権を有し、有限責任社員は、(会社の業務執行権、代表権は有さず、)それらの監視権を有するにすぎない、とされていました。

 

しかし、業務執行担当者は、別に自分達で決めたらいいよね、業務執行に関しては無限責任社員だから有限責任社員だからっていう規制は不必要だよね、という事になり、現在の会社法においては、「社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する」(法590条1項)とされ、基本的に「社員」であれば業務執行権を有するようにした上で、違うシステムにしたかったら、自分達で「定款」に定めてね、ということになっています。

 

それを反映して、会社法では「有限責任社員」、「無限責任社員」という分類と同時に、「業務執行社員」と「それ以外の社員」という形で分類した規制をたくさん置いています(法593条以下など)。

 

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(もう一歩前へ)

 

「無限責任」は分かり易いですよね。
自分の全財産が債務の引き当て(=責任財産)な訳です。青天井ということです。

ですが、「有限責任社員」という時の「有限責任」は分かりにくい概念だったりしませんか?

民法を学ぶ際に、「有限責任」という概念についてきちんと整理されている方は、混乱することなく理解されているでしょう。

しかし、「有限責任」といえば、真っ先に株式会社の株主の「間接有限責任」が思い浮かぶけど、これと「有限責任社員」がいうところの「有限責任」とは何が違うんだろう?と思っていらっしゃる方が意外と多いのではないかと思います。

 

そこで、この点について説明させて頂きます。

(1)私法の原則=無限責任
(2)有限責任
(3)間接有限責任

・・・という順序でいきましょう。

一から説明している分、長くなってしまいました。気になる方だけご覧ください。

 

(1)私法の原則(=無限責任)

 

まず、会社法を離れて、AさんとBさんの売買契約を考えてみましょう。

AさんがBさんに車を300万円で売りました。しかし、Bさんは、車の代金を支払えません。Aさんは、契約を解除することなく、Bさんから代金を取り立てようと思っています。この時、どうなりますか?

Aさんは、Bさん家に押しかけて、無理矢理お金をぶんどる事は許されていませんから(=自力救済の禁止)、訴訟で片をつけることになります。そして、「BさんはAさんに300万円支払え」という判決が出て、その判決書を根拠として(債務名義として)Bさんの保有する財産へ強制執行がなされた、というところまで一気に想像してください。

この時のBさんの責任財産は何でしょう?

答えは、Bさんの全財産です。だって、お金をもし返せないのであれば、債務額に到達するまで、Bさんの持っているありとあらゆるものが差押えられちゃうでしょう?

これを言い換えると、個人の取引においては、「債務」を負った場合は、原則として「無限責任」を負っているのです。個人の取引では取引する額が小さいため、意識しないだけです。

 

友達から私はお金を5万円借りたけど、まだ返していない。ならば、私は「5万円返すべき債務」を負っているわけですから、いざとなったら「全財産」を引き当てとして「5万円返す義務」という内容の「無限責任」を負っているわけです。

「無限責任」とは、「責任財産」が「無限」と読んで下さいね。「いざとなったら債権者が当てにできる財産」が「無限」か否かというお話です。「300万円」、「5万円」だから有限じゃないか、と思ってしまった方は注意して下さい。「300万円」や「5万円」というのは、債務額であって、「責任財産」ではありません。)

 

(2)有限責任

 

このように、私法における原則は、「無限責任」ですから、「有限責任」は、「法律又は契約で特段の定めをした場合」にだけ生じます

先程からの文脈でいう、「有限責任」はどういう意味だかもう大体分かりますよね?

(債務を負っているという大前提の下、その債務の履行の担保として、)「全財産」ではなく、「一定の財産」のみが引き当て(=責任財産)となる場合をいいます。

「責任財産」が(一定の線引きがなされているが故に)「有限」という訳です。

 

「有限責任社員」という時の、「有限責任」は、まさにこの意味です。
「責任財産」が「会社に対する出資額」に限定されているため、「有限責任」社員なのです。

 

これでご理解頂けたとは思いますが、念を押して違う角度からもう一度。

 

本来、自分の「資本」を増やすための装置(=会社)が稼働しているメリットを「資本」の所有者は享受しているのですから、マイナスになってしまうかも・・・というデメリットも「資本」の所有者は背負うべきです。

ですから、会社が債務を負ったのであれば、「資本」の所有者である「社員」も、私法の原則通り「無限責任」を負うのが筋です。
具体的には、会社債権者に対して、債務全額について連帯債務を負うべきなのです(主債務者はもちろん会社です)。(会社法580条1項)。

しかし、カネだけ出してリスクはそんなに負いたくない、という声は大きく、会社法は一定程度デメリットを軽減してあげた制度を用意しました。
それが、「合資会社」であり、その中の「有限責任社員」です。

「有限責任社員」も会社債権者に対して、連帯債務は負うものの、その内容は、債務全額ではなく「出資の価額」を限度とした責任しか負わない事とされました。(会社法580条2項)

これは、会社債権者は、会社の債務額が「有限責任社員」の「出資の価額」よりも多くても、「出資の価額」よりも多く「有限責任社員」に対して強制執行をかけることができない事を意味しています。
「責任財産」が「出資の価額」の範囲という形で「有限」なのです。

 

(3)間接有限責任

 

以上のように、「有限責任社員」という言葉において用いられている「有限責任」という言葉は、通常の語法通りですので、会社法の基本書においても大した解説がないのです。

 

これに対して、間接有限責任という言葉は、株式会社の特殊性をもろに反映した特殊な言葉です。

 

ここでは簡単にしか説明しませんが、株式会社は、お金をいろんな人から集めるために、「資本と経営の分離」する可能性を認めたシステムでしたよね?

「資本」と「経営」が分離するということは、会社の行為は、「経営」側がやる訳ですから、会社の行為の責任を取るべき主体である「会社」と、「資本」を出した「社員(株主)」は分離される事になります。

つまり、今までの大前提だった、「会社の債務」=「社員の債務」という図式が崩れて、社員たる株主は会社債権者に対して債務を負っていない状態なのです。この点が、今までの議論と全く異なる点です。

 

債務がなければ責任はないのがフツーです。

 

もっとも、株主は、会社に「資本」を入れている訳ですが、会社がコケたら、その「資本」を失ってしまう可能性はありますよね。株式会社においては、「資本」充実・維持の原則により、「資本」こそ会社債権者の最後の当てとなる財産(=責任財産)だと考えられているからです。

 

この「株主」が「既に入れた資本分の金額を事実上回収できなくなってしまう可能性」を指して、「間接有限責任」と呼んでいるだけなのです。

 

「既に入れた資本分の金額を事実上回収できなくなってしまう可能性」は、「責任」と呼べるかすら怪しいです。

少なくとも、今までの文脈の(債務の存在を前提とした)「責任」とは明らかに違いますので、「間接」ととりあえず付けてみた、という感じです。

「反射的有限責任」でも「なんちゃって有限責任」でも「有限責任っぽい何か」でもよかったはずですが、真面目っぽく見せるために「間接有限責任」と名付けられたのです。

ですので、(1)(2)を「直接有限責任」と位置付ける必要はありません。「責任」財産としての負担は「直接」負うものです。これが当たり前です。

「間接有限責任」は、同じ「責任」、「有限責任」という言葉が使われていますが、全く別物と考えるべきで、統一的に考えようとしてはいけません

こんな感じでどうでしょうか。

合名会社とは(11/12)

 

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(マンガ:まんがで気軽に経営用語 様)

 

・・・良いマンガでした。合名会社のエッセンスが詰め込まれていましたね。

合名会社というのは、持分会社の一種で、無限責任社員のみで構成される会社です(会社法576条2項)。

「名」は、名板貸しを想像して頂ければ分かるように、時に責任の所在を言い表す言葉です。一人一人の「名」を「合」わせた会社、という字面から合名会社の社員は全員「無限責任」を負うという「合名会社」の特徴を覚えちゃってくださいね。

 

ざっくりこの会社の特徴を言えば、社員一人一人がとっても大事な会社なのです。

 

合名会社の社員は、(定款に別段の定めをしない限り、)「全員」が業務執行を担当する上、会社を代表できます(法590条1項、599条1項)。

そして、会社が債務を負った場合は、社員は「全員」、会社債権者に対して直接、「無限」の連帯責任を負うことになります(法580条1項)。
つまり、会社が金を返せないのであれば、社員「全員」の現在有する全財産(及びその後の人生)でもって、お金を返さなければならない、ということです。

 

ということは、ですよ?
他の「社員」が会社を「代表」して業務執行した結果、会社が多額の借金を負ったら、自分がヘマした訳じゃないのに、自分の人生が終了する、ということです。
これは、他の「社員」との間に、よほどの信頼関係がないとできませんよね?
このように、社員相互の関係が深く、個性が重視される仕組みとなっている合名会社の特徴を「人的会社」と言います。

 

この対義語は、社員相互に信頼関係は無く、個性が重視されない仕組みである「物的会社」です。典型例は、株式会社です。

 

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(もう一歩前へ)

 

(人的会社の典型である)合名会社の具体的な特徴について、(物的会社の典型である)株式会社と比較しながら説明していきましょう。

 

(1)会社の設立

 

株式会社においては、間接有限責任であるがゆえに、資本がきちんと入り、それが維持されることがとても大事です(この意味が分からない方は、「金庫株(自己株式)」という記事で一から説明しておりますので、ご一読ください)。

ですので、株式会社の設立においては、きちんと額面通りの「資本」が会社に入ってくることを重視し、出資は「金銭」によるのが原則で、「金銭以外の財産による現物出資」は、変態設立事項として定款に所定の事項を記載しなければ効力が生じないことになっていますし、「財産以外の方法による出資」は認められていません(会社法28条1項1号、34条1項参照)。

また、出資の履行を会社が成立する前に、絶対行わせるため、「定款の作成」だけでは株主は確定せず、出資の履行を完了しなければ「株主」になれない、という社員の確定の手続(株主となる権利の喪失の手続)を設けています(会社法34条、36条)。

 

合名会社においては、社員が全員無限責任を負いますので、会社債権者は、会社「資本」の充実・維持にそこまで関心はないです。「資本」が「会社」から「社員」に払い戻されたところで、どうせその「社員」の全財産からお金を取れるからです。そこで、出資は、「金銭」や「金銭以外の財産による現物出資」はもちろん、「財産以外の方法による出資」ですら認められています。マンガにもありましたように「労務」による出資や、「信用」による出資すら認められているのです(会社法576条1項6号かっこ書き反対解釈)。
もっとも、出資したものや、その評価額等を「定款」に記載する必要はあります。

また、出資の履行は、会社が成立した後に為す事も許されています。何度もいいますが、会社債権者は、「資本」の充実にそこまで関心がなく、「資本」に関する法規制を厳しくする理由がないからです。

 

(2)地位の譲渡、持分の払戻し

 

合名会社においては、社員一人一人が大事なので、新たな社員が登場するような場合(=社員の地位の全部又は一部の譲渡)は、他の全社員の承諾が必要とされています(法585条1項)。その反面、何度も申しますが「資本」維持の要請はないため、社員が退社すること(=持分の払戻し)は、容易にできるようになっています(法611条)。

 

これって株式会社とは正反対だって気づかれたでしょうか?

 

株式会社においては、資本維持の原則に反するため、出資の払戻しは、原則的には認められない一方、株主は、投下資本をいつでも回収できるように、株主の地位をいつでも他人に譲渡できるという株式譲渡自由の原則が定められていたのでしたよね?(もしこの点を理解されていないのであれば、「金庫株(自己株式)」をご一読下さい)

 

「出資(持分)の払戻しは自由にできるか」、「地位の譲渡を自由にできるか」という点で真逆であることにご留意ください。

・・・このほかにも、定款による自治が合名会社の方がより広く認められている、というような違いもあったりしますが、合名会社の特徴として重要なのは上述の二点です。

 

CSRとは(11/11)

 

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(マンガ:まんがで気軽に経営用語 様)

 

会社の経営陣や幹部候補の前で、クレーマー上がりの方が、「企業の社会的責任」について、ディスカッションや質疑応答を交えた講演をしたって状況でしょうね。

 

CSRは、法律用語ではありませんので、ざぁ~っと遠い目をしながらテキトーに解説を読んでください。

 

CSRは、Corporate Social Responsibilityの略です。「企業の社会的責任」と言われていますね。

 

1960年代後半に、公害問題が社会問題となった事を契機に、アメリカで登場した言葉です。

 

ですので、CSRの本来の意味は、企業は、(公害をまき散らすような)社会的に非難されるような事はやってはダメだよ~ということだったのです(企業は○○してはいけない、という消極的意味)。

 

しかし、時代が経ち、いやいやせっかく「社会的責任」というフレーズなんだし、もう少し対象を広げて用いましょうよ、という事になり、現在では、会社は株主の事ばかり考えるのではなく、従業員や消費者、地域住民や国民、果ては人類全体のために行動すべきだ、という意味をも有するようになったのです(企業は○○しなければならない、という積極的意味)。

 

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(もう一歩前へ)

 

CSRの中でも、上述した「積極的意味」につきましては、深く考えると泥沼に入りそうなくらい外延が分からないです。

 

しかし、ざっくり言えば、このような発想だと思います。私見が含まれておりますので、この点は注意して下さいね。

 

「自然人」(ヒト)は、「社会」の恩恵を預かりながら、自らもまた「社会」の構成員として、(例えば、次世代の社会の構成員である「子」を産み、あるいは選挙権・被選挙権を通じて「社会」を運営する、というような形で)「社会」に貢献しています。

 

他方、企業は本来、実在してはいない訳ですから、生まれながらの「社会」の構成員ではありません。また、ヒトのように、その存在ゆえに当然に「社会」に貢献しているとは言えない存在です。ところが、インフラ等を見てみれば一目瞭然であるように、「社会」から恩恵を受けています。「社会」を土台として、(特に営利法人は)営利活動しているわけです。

 

そこで、いやいや企業も「社会」に何らかの形で恩返しすべきなんじゃないの?貢献すべきなんじゃないの?という事で生まれたのが、CSRの「積極的意味」なのだと思います。
つまり、完全な自由主義(リバタリアニズム)ではなく、どちらかと言えば共同体主義(コミュニタリアニズム)的な発想な訳です。

 

ちなみに、「自然人」(ヒト)も当然には「社会」に貢献していない!企業に限らずヒトも「社会」への貢献についてもっと意識的になるべきだ!という発想から、SR(Social Responsibility、「社会的責任」)という用語も存在します。

 

社会への貢献方法は、無数にあり得ます。

 

政党への寄付も、「社会」運営に対する補助なのですから、(政治を歪めないのであれば)一つの貢献ですし、町おこしのアイデア(お祭りやイベントなど)の協賛をして、地元との結びつきを深め、新たな需要を発掘しようとするのも、「社会」に対する一つの貢献です。(積極的意味のCSR)。

 

もちろん、「社会」のルール(≒法)や秩序を守ることも「社会」に対する貢献と評価できます。(消極的意味のCSR)。

 

こんな感じでどうでしょうか。

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