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コーポレートガバナンスとは(11/3)


 

kaisha06

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(マンガ:まんがで気軽に経営用語 様)

 

天使と悪魔ならぬタキシードとやくざの戦い、という奇妙な絵面ですね(笑)
最後は、無事タキシードが勝ったようです。

 

コーポレート・ガバナンスは、会社法の学習上、さほど重要な用語でもないので、さくっと片付けちゃいましょう。
コーポレートは、ここでは「企業」、ガバナンスは「統治」を意味します。
ですので、コーポレート・ガバナンスは、別名「企業統治」とも言われています。

 

とはいっても、経営者がどのように「企業」を「統治」しよっかな~という話ではありません。字面から素直に考えると、こちらをイメージしてしまいますよね。

 

株主や立法者が、どのように経営者にきちんと「企業」を「統治」させようかな~というお話です。この言葉が、経営者目線ではなく、株主や立法者目線の言葉であることをきちんと押さえておいてください。

 

お堅い言葉でいえば、「会社経営の適法性を確保し、効率性を向上させるために、会社経営者に適切な規律づけを働かせる仕組み」ということになります。

 

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(もう一歩前へ)

 

もう少しだけ詳しく説明しますね。

 

所有と経営が必ずしも一致していない株式会社において、「株主」と「経営者」は、必ずしも利害が一致していません。さらに、経営者は経営のプロである上、会社に関する情報を一手に握っており、情報の非対称性が存在します。

 

これでは、「経営者」が好き勝手やって、「株主」の利益を害してしまう可能性が常に存在することになってしまいます。
それではマズイので、「株主・立法者」が「経営者」をどうにかコントロールしなきゃダメだよな~というお話がコーポレート・ガバナンスであったわけです。

 

このように利害が対立するおそれがあることくらい法律は分かっていますから、「株主」を一定程度、保護する法律を置いています。これをちゃんと「経営者」に守らせる、というのが「適法性の確保」です。

また、経営者が、「株主」を保護する法律を守っていたとしても、その法律の枠内で、最大限自分の利益を図り、「株主」の利益を犠牲にするおそれは拭えません。これを解消するには、「株主」と「経営者」間の情報の非対称性をなくすか、「株主」と「経営者」の利害を一致させる必要があるのです。

このような状況を理想として、できるだけ「経営者」に、「株主」と同じ方向を向いて真っ直ぐに走ってもらうシステムを作ろう、というのが「効率性の向上」です。

 

ここで留意して頂きたいのは、この文脈で語られる「適法性の確保」は、「株主」の利益を害するような違法行為の抑止、という側面が強く、およそ全ての「法」を意味する訳では必ずしもない、という点です。この点が、(社会が、企業や経営者に対して社会のルール(≒法)を守るように要請している)「コンプライアンス」という言葉と決定的に違う点です。

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