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行政裁量(初級)


問題:(完全オリジナル問題)[    ]に入る適切な文章を40字程度で記述しなさい。

 

Aは、厚生労働大臣から薬の製造認可を受けたC社の薬を服用したところ、その薬の副作用によって健康を害した。Aは、同大臣が製造認可を撤回しなかったことが違法であると主張することによって、国家賠償請求を考えている。しかし、伝統的には、行政権限を行使するかどうかは行政に裁量が認められると考えられてきたし、現在においても行政の裁量は尊重すべき要請に変わりはない。そこで、権限不行使を違法と評価するには、一定の限定が必要ということになる。判例は、このような見地から、 [       ] 場合に限って違法性が認められる、という枠組みを維持している。その為、Aとしては、かかる場合に該当する旨を主張することを盛り込んで請求を立てる必要がある。

 

(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)

 

判例の基準を書き入れる問題であるが、問題文を完全に理解するためにもう少し言葉を足してみたい。

 

行政権限を行使するかどうかに行政の裁量が認められているのは、行政は専門技術的知識・能力をもとに、日々沸き起こる行政需要に対して適切かつ迅速な判断を要求されるため、予め法律で規律しておくことは不可能であり、現場判断が不可欠だからである。

 

もっとも、その裁量権の存在を前提にしても、法律による行政の原理(法の支配)が妥当する以上、その裁量にも限界があることは明らかである。

 

そして、その裁量の限界を、権限の濫用と表現し、権限の濫用とは具体的にいかなる場合であるかを明らかにしたのが、判例の基準というわけである。

 

判例は、根拠法令の趣旨・目的や権限の性質等に照らして、権限の不行使が

(①著しく合理性を欠く②正当性に欠ける③相当性に欠ける④均衡を欠く)

と認められる場合に、権限の濫用と評価でき、違法としている。

 

これがそのまま答えである。

 

この基準は、より具体的には、被侵害利益の重要性や、

行政の介入が期待できる状況にあったかどうかという

(①予見可能性②期待可能性③結果回避可能性)

 

そして、侵害が予見できたかという予見可能性や行政庁の権限行使により結果が回避できたかどうかという結果回避可能性を内容とする。

 

であるから、判例の大枠が答えられなくとも、判断要素の一部さえ答えられれば、部分点はありうることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解答)

①②

220点。均等配点。

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