問題:(司法試験平成9年度第2問改題)Aは建築許可の申請をB行政庁に提出したが、Bは、申請拒否処分をなした。この際、Bによる申請拒否処分の理由の記載が不十分であったが、Aはこの拒否の理由について実は十分に知っていた。駄目でもともとというつもりで申請していたのである。このような場合に、なおB行政庁の拒否処分は違法であると構成するためには、行政手続法8条1項が規定する理由の提示の趣旨に遡って考慮する必要がある。そこで、理由の提示の趣旨を2つ挙げ、「本事例においては、前者の趣旨が未だ満たされていないため、8条1項に反する」という文章の前にくるものとして適切な文章を40字程度で記述しなさい。
(空欄を補充してください)
理由の付記の趣旨としては、拒否事由の有無についての行政庁の判断の慎重と公正・妥当を担保して(①5文字)するとともに、拒否理由を申請者に明らかにすることによって透明性の向上を図り(②10文字以内)を与えるということが挙げられる。後者は、申請者たるAが知っていたことにより、趣旨は満たされているが、前者はAの状態にかかわらないため、趣旨は満たされていない。
(解答例)
①恣意を抑制
②不服申し立てに便宜
(採点基準)
・恣意と抑制が共にあれば10点。恣意のみならば6点。
・「不服」と「申」があれば、10点。計20点。