問題:(完全オリジナル問題)AはBに100万円の債権を有している。Aは、最近CからBに土地の贈与がなされた事を聞き及び、BにCに対して移転登記請求をするよう促した。しかし、BはCとは友人関係であり、関係を壊したくないとの考慮から拒否した。そこで、Aは、Bの移転登記請求権を代位行使した。しかし、Cは、BC間の贈与契約は虚偽表示で無効であると主張し、移転登記を拒否した。BC間の贈与契約は虚偽表示であったこと及びAが債権者代位権を行使する要件は全て満たされていた事を前提として、Cの主張は認められるか否かについて理由と結論を40字程度で記述しなさい。
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本問では、債権者代位権を行使する要件は全て満たされていた事を前提としているので、問題文からは必ずしも明らかでない履行期が到来しているか否か、Bが無資力か否か(また、無資力であることが必要か否か)という事実を検討する必要はない。
問題となっているのは、Bは虚偽表示の当事者であるからCはBに無効を主張できるが、Bの権利を代位行使している債権者Aに対してもCは無効を主張できるか否かである。
これはつまり、代位債権者Aが、94条2項の虚偽表示の無効を対抗されない「第三者」にあたるか否かという問題として捉えることができるわけである。
この点につき、通説・判例は、代位債権者は、「第三者」に
(①あたる②あたらない)と考えている。
94条2項の「第三者」は、当事者又はその一般承継人以外の者で、虚偽表示の結果権利者らしい外観を呈している者と利害関係を持つに至った者をいうが、
代位債権者は、虚偽表示の結果利害関係を持つに至った訳ではないからである。
より実質的な理由として挙げられるのは、債権者代位権は、
(①責任財産の保全②公正な取引の確保③私的自治の実現④簡易迅速な決済)
という目的の限度で債務者の財産管理権に介入するものであり、
債務者の主張できる地位以上のものを代位債権者に主張させる必要が原則としてはないからである。
従って、結論としては、Cは虚偽表示の無効をAに対して主張できることになる。
(解答)
②①
・2問20点。均等配点。