問題:(完全オリジナル問題)離婚原因について、770条1項は5つ挙げている。その中でも770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」は、解釈が難しい要件である。昔の判例は、この事由の存在を主張できるのは、離婚に責任のない配偶者のみと考えていた。有責配偶者からの離婚請求を認めたのでは、他方の配偶者は踏んだり蹴ったりであり、理不尽であるからである。もっとも、現在の判例は、そうはいっても修復の見込みが全くない婚姻状態を継続させても不毛であるので、一定の場合には有責配偶者からの離婚請求の余地を認めている。判例は、ここでいう一定の場合の判断にあたって、いかなる事実を考慮要素としているか、40字程度で記述しなさい。
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本問は有責配偶者からの離婚請求の可否の問題である事や、大まかな価値判断はすべて問題文に記載があるため、判例がどのような考慮要素を用いて判断しているかの知識のみが問われている問題である。
判例は、離婚請求が
に照らしても容認されうるものであることが必要であることを述べた後、
夫婦の別居が年齢や同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと、
(①子供②未成熟子③未成年の子④養子)が存在しないこと、
離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するような特段の事情がないこと
があれば、有責配偶者からの離婚請求も可能となることを示した。
なお、判例は、一方又は双方の内縁関係の存在や内縁関係における子の存在等も考慮しているが、それは信義誠実の原則に反するかの中で考慮されているため、間違いではないが、解答としては弱い。
ちなみに、信義則に反するかというのは、要件であり、他の事情は総合衡量の際の一要素である点で位置づけは異なるが、考慮要素である点に変わりはなく、本問の解答にあたっては気にしないでよいと思われる。
(解答例)
①②
・2問20点。均等配点。