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日常家事債務(初級)


問題:(完全オリジナル問題)妻Aは、子供Cのランドセルや鉛筆等小学校に入学するために必要な品を夫B名義の立て替え払いでX店から購入した。X店はABが夫婦であることは知っていたので、いちいちBに確認をとることはしなかった。しかし、Bは支払う気はないとしてAX間の契約は、自分には帰属しないことを主張している。このようなBの主張は認められるか、理由と結論を40字程度で記述しなさい。

 

(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)

 

本問は、民法761条の規定する日常家事債務の連帯責任を正面から問うた問題である。民法総則でも表見代理のところでこの条文は出てくるので、本問は家族法分野の中では取り組みやすかったかもしれない。

 

さて、民法761条は、法律行為の相手方は、日常家事に関する取引については、夫か妻かではなく、夫婦双方を相手方と考えるのが普通だから、

(①夫婦の権利保護②相手方保護③夫婦の権利の個別性保護)

のために、夫婦は連帯責任を負うとしたのである。

 

では、ここでいう日常家事に関する行為とは、具体的には、衣食住にかかる費用や子の養育費等であるが、とある具体的な行為(本問ではAのランドセル等の購入行為)が日常家事に関するか否かは如何に判断すればよいのだろうか。

 

判例は、夫婦の共同生活の内部的な事情や個別的な目的のみを重視するのではなく、客観的に、その法律行為の種類、性質等をも十分に考慮して判断すべきとしている。

 

相手方保護の規定であるから、相手方が窺い知ることのできないような内部事情のみを重視してはならない、といっている点と、

 

夫婦の内部事情も考慮材料の一部として判例は認めている点の両方に注意すべきである。

 

本問でいえば、ランドセル等の売買は、客観的にみて子の養育のための行為であることは明らかであり、日常家事に含まれ

(①る②ない)

 

よって、761条によりBは連帯責任を負っているため、Bの主張は認められない。

 

ちなみに、これは本問からみれば余談であるが、日常家事の範囲にもし含まれないとなった場合に、761条の夫婦相互の法定代理権を基本代理権として、表見代理を成立させてよいか、という民法総則の論点に入っていくことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解答)

②①

220点。均等配点。

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