問題:(完全オリジナル問題)AはBから甲土地を購入した。この売買においては、甲土地の坪数が契約において表示され、その坪数を基礎に代金額1000万円が定められていた。もっとも、購入3か月後にAが改めて土地を調査した結果、甲土地の坪数は契約において表示された坪数よりもかなり少なかった。契約において表示された坪数だからこそ店舗用の土地としてギリギリ十分であると考え購入を決意したAは、Bの担保責任を追及しようと考えているが、具体的にはどのような主張ができるだろうか。40字程度で記述しなさい。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
AB間売買は、坪数が契約において表示され、その坪数を基礎に代金額が定められているため、
(①他人物売買②隔地者間売買③数量指示売買④商人間売買)
である。
数量指示売買とは、判例は「一定の面積、容積、重量、員数、または尺度あることを売主が契約において表示し、かつ、この数量を基礎として代金額が定められた売買」をいうと定義している。
本問では、一定の面積が契約において表示され、かつ、面積を基礎として代金額が定められているため、数量指示売買にあたる。
数量指示売買において、数量が不足していた場合、善意の買主は565条に基づいて担保責任を追及できるが、その具体的内容としていかなる主張ができるだろうか。
数量不足の担保責任を追及しうる買主は、一部他人物売買の場合と異なり、善意の買主に限られている。
これは、数量不足の担保責任について定めている565条は、一部他人物売買の563条を準用する形で規定されているのだが、565条は、買主が善意の場合に限って563条を準用するとしているからである。
そうすると、数量不足の担保責任を追及する買主は善意であり、善意者のみに許される損害賠償請求が全員できることになる。
解除については、解除は不足部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったという場合にのみ認められるが、本問において、Aは店舗用地として甲土地購入を検討しており、契約に表示された坪数で用地としての機能を果たすにはギリギリだったというのであるから、
表示された坪数よりもかなり不足するという不足部分のみでは店舗用地としての機能は果たしえず、買主はこれを買い受けなかったと評価できる。そのため、解除も認められる。
あと一つ、
(①瑕疵修補請求②代金減額請求③代金支払拒絶④代金増額請求)
が認められている。ただし、このままではAが店舗スペースを捻出する方策を考えない限り、店舗の開設という目的を達する事ができないという本問事案の下においては、解除する可能性が高いため、減額請求する可能性は低いが、書いてもマイナスにはならない。
そして、これらの請求権・解除権は買主が善意なら事実を知った時から、買主が悪意なら契約の時から1年以内に行使する必要があるが、現在は契約の時から3か月であるので、いずれにせよ期間内である。
なお、本問とは逆で、数量が超過していた場合には、売主が565条類推適用により、代金増額請求をすることは許されていない。もっとも、そのような場合に増額請求できるという特約があれば、増額請求は可能である。
(解答)
③②
・2問20点。均等配点。