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債権譲渡の対抗関係(初級)


問題:(完全オリジナル問題)Aは、債務者Bに対する100万円の貸金債権をCDに二重譲渡した。Cへの譲渡に関する確定日付のある譲渡通知が、B宅へ55日に到達した。しかし、Dへの譲渡に関する、確定日付のない譲渡通知は、実はその2日前である53日に到達していた。Bは、53日にDへの債権者の交代を知り、返済する機会は今だと考え、54日にDへ債務を弁済した。このBの債務弁済は有効だろうか。理由と結論を40字程度で記述しなさい。

 

(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)

 

債権譲渡の対抗関係といったら到達時説だから到達時を比較するという短絡的な思考に陥っていないか、対抗関係についての判断から直ちに弁済の有効性についての結論を得ようとしていないかという点を問うた問題である。

 

まず、CDの優劣関係について考える。CDは、互いに4672項にいう「債務者以外の第三者」にあたるため、本問では

(①通知の到達時の先後②確定日付の有無③確定日付時の先後)

により決着がつく。

 

到達時説や確定日付説というのは、債権譲受人の両者が確定日付を備えていた場合に関する議論であり、本問における優劣関係は、条文から直接に答えが出るため注意すべきである。

 

よって、DCに対して自己が債権を譲り受けたことを対抗できない。

 

では、Dは債務者Bに対しては対抗できるだろうか。債務者対抗要件には確定日付は要求されていないため、467条の文言からは一義的に答えは出てこない。

 

この点、原則としては譲渡通知が債務者に到達した譲受人でありさえすれば、債務者に対抗できるが、二重譲渡の場合は例外的に、Cが優先する譲受人であることが確定した時点、すなわち55日の時点で、Dは劣後する譲受人となったため、債務者BCの存在を理由に劣後者Dへの弁済を拒絶できるものと理解されている。

 

また、このとき(=5月5日以降)、Bが誤ってDに支払ってしまった場合は、劣後する譲受人に対する弁済が有効となるか否かは、民法478条の準占有者に対する弁済としての要件を充足し、有効となるか否かによって決せられることとなる。

 

ところが、本問においてBDに弁済したのは、Cが優先する譲受人であることが確定した55日よりも前の54日である。

 

この時点においては、Dは劣後者ではないため、Dへの弁済は何ら瑕疵なく有効である。54日時点では、債務者対抗要件である譲渡通知を備えた譲受人はDのみだからである。

 

その結果、債権が弁済により消滅し、Cに債権が帰属することはなくなるのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解答)

・1問20点。

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