問題:(完全オリジナル問題)民法770条1項1号によれば、不貞行為が離婚原因になっている。また、夫婦に同居協力扶助義務があることからも、夫婦は相互に貞操義務を負うものと解釈されている。そして、判例は、夫婦の一方が貞操義務に反した場合には、不貞行為の相手方は、夫婦のもう一方が被った精神的苦痛を慰謝すべき義務があるとしている。しかし、いかなる場合であっても慰謝料を支払わなければならないわけではない。判例は、不貞行為をしても相手方が慰謝料を支払わなくてもよい場合はどのような場合であるとしているか。40字程度で記述しなさい。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
判例は、貞操義務違反が不法行為として慰謝料の対象となるのは、それが
(①夫婦の性的環境の独立②夫婦の性的自由権③婚姻共同生活の平和の維持)
という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為であるからとしている。
そこで、婚姻関係が
(①解消②破綻③消滅④改善)
していたときは、かかる権利や利益は存在せず、保護に値するものではない。
このような考え方から、判例は婚姻関係が不貞行為の当時すでに破たんしていたときは、特段の事情がない限り不貞行為の相手方は、不法行為責任を負わないものとしている。
なお、実務的にはこの婚姻関係の破綻及び破綻の時期の認定が最重要な問題であるらしい。
余談だが、もし婚姻関係の破綻が認められず、不貞行為が不法行為であると評価された場合、不貞行為された者は、不貞行為した配偶者と不貞行為の相手方の両方へ慰謝料請求できる。
その際、不貞行為は共同不法行為と評価できるため、不貞配偶者と相手方の債務は不真正連帯債務となる。
(解答)
③②
・2問20点。均等配点。