『総則>間違い指摘>その1』
・自然人ばかりでなく①法人も、成年後見人になることができるが、株式会社等の②営利法人は、成年後見人になることはできない。
→②「営利法人は、成年後見人になることはできない」。営利法人を除外する規定はない。
『総則>間違い指摘>その2』
・精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者について、本人、配偶者、①4親等内の親族は、補助開始の審判を請求することはできるが、後見人や保佐人は、これをすることは②できない。
→②「できない」。本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、保佐人、後見監督人、保佐監督人、検察官が請求権者として挙げられている。
『総則>間違い指摘>その3』
・制限行為能力者が自己の行為を取り消したときには、相手方は受け取っていた物を①返還しなければならないが、相手方は、制限行為能力を理由とする取消しであることを理由に、②現に利益を受けている限度で返還をすれば足りる。
→②「現に利益を受けている限度で」。現存利益の範囲に返還義務が縮減されているのは、制限行為能力者のみである。制限行為能力者保護のための規定だからである。
『総則>間違い指摘>その4』
・Aが自己の所有する甲土地をBと通謀してBに売却(仮装売買)した場合において、Bが甲土地をAに無断でCに転売した場合に、善意のCに対して、①AはA・B間の売買の無効を対抗することはできないが、②Bはこれを対抗することができる。
→②「Bはこれを対抗することができる」。当事者双方が対抗できない。
『総則>間違い指摘>その5』
・AがBに対してA所有の動産を譲渡する旨の意思表示をした場合において、この動産が骨董品であり、Aが、鑑定人の故意に行った虚偽の鑑定結果に騙された結果、Bに対して時価よりも相当程度安価で当該動産を譲渡するという意思表示をした場合、①Bがこの事情を知っているか否かにかかわらず、Aは当該意思表示を②取り消すことができない。
→①「Bがこの事情を知っているか否かにかかわらず」。鑑定人という第三者が詐欺を行ったケースであるので、Aは、相手方Bが善意なら取り消すことができないが、悪意ならば、意思表示を取り消すことができる。
『総則>間違い指摘>その6』
・時効の中断となる債務の承認は、債権が存在するという事実を①表明するものであるから、②意思表示である。
→②「意思表示」。債務の承認は講学上観念の通知と呼ばれており、意思表示ではない。
『総則>間違い指摘>その7』
・①心裡留保は、表意者が内心的効果意思と表示とが一致しないことを知っている場合であるが、②錯誤と③虚偽表示はその不一致を知らない場合である。
→③「虚偽表示」。錯誤は不一致を知らない場合であるが、虚偽表示は心裡留保同様、効果意思と表示との不一致を知っている場合と位置付けられる。
『総則>間違い指摘>その8』
・Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ状況下で、①CはAが追認した後であっても、この売買契約を②取り消すことができる。
→①「CはAが追認した後であっても」。Cが取り消すことができるのは、本人が追認をしない間に限られている。
『総則>間違い指摘>その9』
・Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ状況下で、Bが未成年者である場合、Aがこの売買契約の追認を拒絶したならば、CはBに対して①履行の請求をすることはできるが、②損害賠償の請求をすることはできない。
→①「履行の請求をすることはできる」。無権代理をした者が行為能力を有しないときは、無権代理人の責任を負わない。従って、履行の請求も損害賠償の請求もできない。
『総則>間違い指摘>その10』
・Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ状況下で、Aが追認または追認拒絶をしないまま死亡してBがAを相続した場合、①共同相続人の有無にかかわらず、この売買契約は当然に②有効となる。
→①「共同相続人の有無にかかわらず」。無権代理人が本人を共同相続した場合は、共同相続人全員が共同して追認しない限り、無権代理行為は当然には有効とならない。
『総則>間違い指摘>その11』
・Aの子Bが、Aに無断でAの代理人としてA所有の土地をCに売却する契約を結んだ状況下で、Cが相当の期間を定めてこの売買契約を追認するかどうかをAに対して回答するよう催告したが、Aからは期間中に回答がなかった場合、Aは追認を①拒絶したものと②推定される。
→②「推定される」。「推定される」のではなく、「みなす」ことになっている。この二つの概念は、反証が可能かどうかに違いがある。
『総則>間違い指摘>その12』
・未成年者Aが相続により建物を取得した後に、Aの法定代理人である母Bが、自分が金融業者Cから金銭を借りる際に、Aを代理して行ったCとの間の当該建物への抵当権設定契約は、①自己契約に該当しないので、その②効果はAに帰属する。
→②「効果はAに帰属する」。自己契約ではないが、Aに自己所有建物への抵当権設定というマイナスがついて、Bは金銭を借りることができたというプラスがついており、利益相反契約である。利益相反契約は、特別代理人を選任して行わない限り無権代理行為となる。従って、Aに帰属することはない。
『総則>間違い指摘>その13』
・代理権は、①本人の死亡により消滅するが、②代理人の死亡または代理人が③破産手続開始の決定、④後見もしくは保佐開始の審判を受けたことによっても消滅する。
→④「後見もしくは保佐開始の審判」。代理権の消滅事由に保佐開始の審判を受けたことは挙げられていない。挙げられているのは、代理人が後見開始の審判を受けたことのみである。
『総則>間違い指摘>その14』
・無権代理人が契約した場合において、相手方は、①代理権のないことを知らなかったときに限り、②相当の期間を定め、当該期間内に③追認するかどうか確答することを本人に対して催告することができる。
→①「代理権のないことを知らなかったときに限り」。無権代理人の相手方は、催告権を有する。善意の相手方に限定されているわけではない。
『総則>間違い指摘>その15』
・①時効完成前にも②時効完成後にも、時効の利益を放棄することは許されない。
→②「時効完成後」。時効完成後に放棄することは許される。