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40字記述とは


 

《40字記述とは》

 

40字記述は、行政書士試験の試験形式の1つです。

以前の記事で説明しましたよね。

行政書士試験には、法律科目と、一般知識科目があり、

法律科目の試験形式には、5肢択一式、多肢選択式、記述式の3つがあるのです。

そして、この記述式は、「40字程度で記述しなさい」という指定が必ずなされるので、40字記述と呼ばれています。

 

他の資格試験にはこのような試験形式はなく、平成18年度に導入されて以来、現在の行政書士試験の特徴の1つとなっています。

「40字程度」というのは、下限は決まっていませんが、上限は決まっています。というのも、解答欄が15マス×3行=45マスしかありませんので、1マスに1文字入れるため、45字が上限なのです。

 

ここからが重要なのですが、この40字記述は、1問20点で、行政法から1問、民法から2問の計3問出題されます。

ということは、60点配点があるということですよね?

行政書士試験は、300点満点です。その20%をこのたった3問が占めているわけです。この40字記述が重要視される理由が分かって頂けたと思います。

 

40字記述で点数を他人より稼ぐというのは、難しいかもしれませんが、40字記述で他者に競り負けてはいけません。その為の勉強法や解答テクニックを、せっかくHPでの問題使用許諾を得ていることですし、過去問を用いながら、説明したいと思っています。

 

今回は、どんな問題なのかを知って頂くために、短い問題1つと長い問題を2つ掲載しておこうと思います。

 

(短い問題~~~平成18年度第45問(民法))

「問題:売買契約において買主が売主に解約手付を交付した場合、このことによって、買主は、どのような要件のもとであれば、売買契約を解除することができるか。40字程度で記述しなさい。」

 

・・・短いですね。短いということは、知識がストレートに問われる問題ということです。最近は問題が長文化する傾向にあるため、このような短い問題が問われることは少なくなっています。

(本問の解説が気になる方は、コチラをご覧下さい。)

 

(長い問題~~~平成24年度第46問(民法))

『問題:次の文章は遺言に関する相談者と回答者の会話である。〔   〕の中に、どのような請求によって、何について遺言を失効させるかを40字程度で記述しなさい。

相談者 「今日は遺言の相談に参りました。私は夫に先立たれて独りで生活しています。亡くなった夫との間には息子が一人おりますが、随分前に家を出て一切交流もありません。私には、少々の預金と夫が遺してくれた土地建物がありますが、少しでも世の中のお役に立てるよう、私が死んだらこれらの財産一切を慈善団体Aに寄付したいと思っております。このような遺言をすることはできますか。」

回答者 「もちろん、そのような遺言をすることはできます。ただ「財産一切を慈善団体Aに寄付する」という内容が、必ずしもそのとおりになるとは限りません。というのも、相続人である息子さんは、〔   〕からです。そのようにできるのは、被相続人の財産処分の自由を保障しつつも、相続人の生活の安定及び財産の公平分配をはかるためです。」』

 

・・・長いですね、そして何やら複雑そうな問題ですね。実は、これはただの知識問題なのですが、相続分野が手薄な方も多いでしょうし、難しく感じてしまうかもしれません。

(本問の解説が気になる方は、コチラをご覧下さい。)

 

(長い問題~~~平成23年度第46問(民法))

『問題:作家Yに雇用されている秘書Aは、Y名義で5万円以下のYの日用品を購入する権限しか付与されていなかったが、Yに無断でXからYのために50万円相当の事務機器を購入した。しかし、Xは、Aに事務機器を購入する権限があるものと信じて取引をし、Yに代金の支払いを請求したところ、Yはその支払いを拒絶した。このようなYの支払い拒絶を不当と考えたXは、Yに対して、支払いの請求、およびそれに代わる請求について検討した。この場合において、Xは、どのような根拠に基づき、いかなる請求をすればよいか。「Xは、Yに対して、」に続けて、考えられる請求内容を二つ、40字程度で記述しなさい。』

 

・・・この問題は、法律運用能力を問う問題です。司法試験っぽい問題と呼んでもいいと思います。このような問題が問われる傾向が出てきているため、行政書士試験も試験問題が難化傾向にあると言われているわけですね。

法学部出身者や予備校で司法試験に向けて勉強している方であれば、このくらいの法律運用はむしろ簡単な部類なのですが、そうでない方にとってみれば、事例に法律論をあてはめる訓練を日頃から意識的に行う必要があるでしょうね。

(本問の解説が気になる方は、コチラをご覧下さい。)

 

ちなみに、長い問題を2つ引用したのは、長文問題には、前者のように、長文ではありながら、実は単なる知識問題であるケースと、後者のように、事例処理型の法律運用能力が問われる問題であるケースがあるということを紹介したかったからです。

 

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