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平成26年度44問解説


 

【平成26年度 行政書士試験 第44問 40字記述解説(地方自治法)】

 

 

問題(平成26年度第44問):(平成26年度の問題については、著作権者である行政書士試験研究センター様の問題使用許諾を得ておりませんので、全文引用は避け、問題掲載ページへのリンクを貼ります。コチラです。なお、以下では著作権法で許される範囲の部分的な引用を行っております。)
(解説)

 

地方自治法ですか・・・。

条文通りの問題なので、解説は簡単なのですが、あえて知識として知らなかった場合に現場でどう答えを捻りだすか考えてみましょう。

問われているのは、①「市民会館などを地方自治法は何と」呼んでいるか、②市民会館の設置などに関する事項は、「どの機関によりどのような形式で決定されるか」、③地方自治法によれば、運営委託されている民間業者を何と呼ぶか、の三点ですね。

 

(1) ①について

 

この①を考えるに当たってのヒントは、問題文中から読み取れる、この施設は「住民の福利を増進するためその利用に供するため」に「市」が設置した「施設」だ、ということです。

「公共施設」、「公の施設」が第一候補ですね。地方自治法の条文番号をモジって「○条施設」なんて呼ばれている、という可能性もないではないですが、可能性は低そうです。
「市営施設」、「市有施設」では、「住民の福利を・・・」という部分を反映できませんので、これも違いそうです。
反面、「福祉施設」、「福利施設」などでは、「市」が設置した「施設」という部分を反映できませんので、除外してもよさそうです。

という訳で、「公共施設」か「公の施設」の二者択一ですかね~。後は運任せです!
「公共施設」を知識以外で排除する方法はありません。

 

ちなみに、「公の○○」という表現は、意外に多いですよ?
例えば、国家賠償法2条1項は、道路や河川などをひっくるめて「公の営造物」と表現していますよね?

 

・・・とはいえ、漢字四文字の方が、ひらがな混じりの言葉より、「定義を書いたぞ」って気にさせてくれるので、書いて安心しちゃいますよね。

「公の施設」という言葉を知らずに、正答を現場で導き出した人はほとんどいなかったのではないでしょうか。「公の施設」という言葉を知っていた方は一定数いらっしゃったと思いますけれどね。

 

(2) ②について

 

ここです。知識として知らない方にとって、ここが唯一部分点を確実に狙えるところです。

「市」の機関が聞かれているのですから、まぁ事実上「市長」か「市議会」の二択です。
そして、このようなお金がかかる施設の設置が、(市町村税を納めている)市民の代表である「市議会」が関与しない訳がありません

 

また、例えば「市長」が「規則」で決定し、「市議会」の過半数による同意があって初めて効力を有する、みたいな「市長」も「市議会」も関与するシステムになっている事も考えられないではないですが、そうであれば「どの機関」という答えが「一つの機関」である事を示唆するような聞き方はしないはずです。

 

このように、これは「市議会」が「機関」だな、お金がとてもかかることだし、「条例」で定める必要があるはずだぞ、というのはかなり容易に現場で考えられたはずです。この部分は、是非押さえておいて欲しいですね。

 

(3) ③について

 

知らなかったら諦めましょう!
「民間事業者」、「業務受託者」、「運営補助者」・・・いくらでも思いつきます。
「指定管理者」を知らなければ、出てくるはずがないです。

 

(4) 配点予想

 

私であれば、①と③に6点、②に8点を振ります。①と③に5点、②に10点でも良いかもしれません。
単語を覚えているか否か(=①、③)、とシステムが分かっているか否か(=②)では、価値が全く異なるからです。

ちなみに、地方自治法の中でも244条は有名なので、①と②が出来たという方は、おそらく一定数いるはずです。根拠のない勝手な予想ですが、20人に1人くらいは、出来ていると思います。③は、「指定」という単語は意外と出てきたけど、「管理者」が出てこなかった・・・って人が多い気がします。この③が出来た人はあまりいないと思います。

 

(5) 条文に基づいた解説

 

地方自治法244条第1項
「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。」

地方自治法244条の2第1項
「普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない」

憲法94条
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」

地方自治法96条第1項本文及び第1号
普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない
1号 条例を設け又は改廃すること」

地方自治法244条の2第3項
「普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第244条4において、「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。」

・・・これ以上の解説は要りませんよね。条文そのまんまです。

 

(解答例)

公の施設と呼び、市議会の条例で決定される。Bのような団体は、指定管理者と呼ばれる。

 

※ ②について、問題文は、「A市」という具体的なレベルではなく「地方自治法」という抽象的なレベルで聞いているので、本来であれば、「市議会」ではなく「普通地方公共団体の議会」と表現するのが、問いに対する回答として、最も適切だとは思います。しかし、字数がかなり削られます。ですので、「市議会」や「A市議会」と回答しても良いのだと思います。
(6) まとめ

 

地方自治法という意外な分野からの出題でしたが、地方自治法の中でも一・二を争うくらい有名な部分からの出題でした。

2015年度の受験を検討されている方は、今回出たからといって、「地方自治法」について独自の40字対策をする必要はありません。所詮、このような条文の知識問題しか出る可能性がありませんので、択一の勉強で十分カバーできます。
逆に言えば、「地方自治法」の択一対策は、今までよりもう少し頑張る必要が出てくるかもしれませんね。

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