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平成25年度45問解説


【平成25年度 行政書士試験 第45問 40字記述解説(民法1)】

問題:Aは、Bに対し、Cの代理人であると偽り、Bとの間でCを売主とする売買契約(以下、「本件契約」という。)を締結した。ところが、CはAの存在を知らなかったが、このたびBがA・B間で締結された本件契約に基づいてCに対して履行を求めてきたので、Cは、Bからその経緯を聞き、はじめてAの存在を知るに至った。他方、Bは、本件契約の締結時に、AをCの代理人であると信じ、また、そのように信じたことについて過失はなかった。Bは、本件契約を取り消さずに、本件契約に基づいて、Aに対して何らかの請求をしようと考えている。このような状況で、AがCの代理人であることを証明することができないときに、Bは、Aに対して、どのような要件の下で(どのようなことがなかったときにおいて)、どのような請求をすることができるか。「Bは、Aに対して、」に続けて、下線部について、40字程度で記述しなさい(「Bは、Aに対して、」は、40字程度の字数には入らない)。

 

 

(解説)

 

本問は、問題文からABCがどのような関係に立つのか分析し、その分析を前提に、BAに対する請求を考えるという思考の流れによって解答する問題である。しかし、この分析自体はとても簡単であるので、知識問題と言ってよいと思われる。

 

まず、BC間で結ばれた売買契約は、Aによる無権代理であったことから、Cには帰属しない。表見代理も成立する余地もないので、本問ではBは、Cに何らの請求をすることもできない。

そこで、問題文記載のように、BAに請求せざるをえない訳であるが、BAと売買契約を締結した訳ではないので、売買契約の履行を本来直接求めることはできない。

 

しかし、Aが無権代理人である事に着目すると、解決の糸口が見えてくる。

民法1171項は、「他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う」と規定している。

また、1172項は、「前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない」と規定している。

 

これで、本問の解答は分かったはずである。

「どのような請求をすることができるか」については、1171項によれば、「相手方に対して履行又は損害賠償」の請求をすることができるのである。

「どのような要件の下で」については、解答においてどの要件に言及するか、整理してから書く必要がある。

 

11712項に定めのある要件の中でも、「他人の代理人として契約をした」こと、「自己の代理権を証明することができ」なかったこと、「代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき」ではなかった事については、問題文中に記載があるため、言及する必要はないし、言及してもおそらく全く加点にはならない。

 

したがって、言及すべきは、「本人の追認を得ることができなかったとき」であること、「他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったとき」であることの2点である。

なお、下の(行政書士試験研究センターが公表している)解答例を見て頂けば分かるように、制限行為能力者でない事の指摘は、ややレベルが高いからか、無くてもオッケーと考えられているようである。

 

 

 

 

解答例1:(Bは、Aに対して、)ACの追認を得ることができなかったときは、履行又は損害賠償の請求をすることができる

 

解答例2:(Bは、Aに対して、)Cの追認がなく、Aが制限行為能力者でなかったときは、履行又は損害賠償を請求できる

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