問題:Aの抵当権(登記済み)が存する甲土地をその所有者Bから買い受け、甲土地の所有権移転登記を済ませたCは、同抵当権を消滅させたいと思っている。抵当権が消滅する場合としては、被担保債権または抵当権の消滅時効のほかに、Cが、Bの債権者である抵当権者Aに対し被担保債権額の全部をBのために弁済することが考えられるが、そのほかに、抵当権が消滅する場合を二つ、40字程度で記述しなさい。
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抵当権が消滅する場合を二つ記述することが求められているが、抵当権の消滅事由は、混同、物権の放棄、抵当権の実行、被担保債権の消滅等多数ある。
ここで、問題文で見落としてはならないのが、Cが甲土地の所有権を維持しつつ、現実的に抵当権を消滅させるための手段を問われているということである。
抵当権が実行され、甲土地の所有権を失った後、抵当権が消滅したとしてもそんなものはCが求めている抵当権を消滅させる手段とは呼べないのである。
そこで、Cの手段として一番現実的なのは被担保債権額の全部をAに弁済することであるが、それは問題文に記載があるので、それ以外の方法を考える必要がある。
CがBから抵当不動産について所有権を買い受けたことに着目して、
(①物上代位②附従性③随伴性④代価弁済)
を主張することがまず考えられる。
民法378条は、「抵当不動産について所有権・・・を買い受けた第三者が」、
(①抵当権者の請求に応じて②抵当権者の同意なく③抵当権者の事前の同意を得て④抵当権者の事前の禁止がない限り)
「その抵当権者に代価を弁済したときは」、抵当権は消滅すると規定している。
次に、Cが抵当不動産の第三取得者であることに着目して、
(①物上代位②抵当権消滅請求③抵当権抹消請求④抵当権不存在確認)
を主張することが考えられる。
抵当権消滅請求は、代価弁済とは異なり、Cがイニシアチブを発揮して抵当権を消滅させる制度である反面、ハードルは高い。
民法386条によれば、抵当権消滅請求が認められるには、すべての債権者がCの提供した代価又は金額を承諾する必要があるからである。
(解答)
④①②
・3問20点。均等配点。小数点第一位を四捨五入。