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H21 – 46問(初級)


問題:次の【設問】を読み、【答え】の中の〔 〕に適切な文章を40字程度で記述して、設問に関する解答を完成させなさい。
【設問】
 XはA所有の甲建物を購入したが未だ移転登記は行っていない。現在甲建物にはAからこの建物を借り受けたYが居住しているが、A・Y間の賃貸借契約は既に解除されている。XはYに対して建物の明け渡しを求めることができるか。
【答え】
 XはYに対して登記なくして自らが所有者であることを主張し、明け渡しを求めることができる。民法177条の規定によれば「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」とあるところ、判例によれば、同規定中の〔 〕をいうものと解されている。ところが本件事案では、Yについて、これに該当するとは認められないからである。

 

(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)

 

本問は、まず177条のどの文言の解釈が焦点となっているのか、設問から導きだし、文言を特定したうえで、判例の述べた有名なフレーズをただ書くのみというシンプルな問題である。

 

この事例は、XYは対抗関係にあるのかが問題となっているため、177条の中の

(①不動産に関する②物権の得喪及び変更は、③登記をしなければ④第三者に対抗することができない)

というフレーズが問題となっている。

 

ここでいう「第三者」の意味について、判例は、

(①当事者以外の者②当事者もしくはその特定承継人以外の者③当事者もしくはその包括承継人以外の者④当事者若しくはその承継人以外の者)で、

 

不動産に関する物権の得喪、変更の登記欠缺(けんけつ)を主張する

(①可能性を有する者②正当な利益を有する者③重要な利益を有する者④意思を有する者)」と定義されている。

 

これは、このまま覚えるべきものである。しかし、この判例の文言をより印象深いものにするためにもう少し解説を加える。

 

「第三者」とは、通常、当事者以外の者を指す。もっとも、相続人が典型例である包括承継人は、当事者の地位をそのまま引き継ぐものであるから、当事者と同視できるため、「第三者」とは、当事者及びその包括承継人以外の者と言えることになる。

 

民法の起草者は、「第三者」はこのような意味と解していた。

 

しかし、不法行為者に対してすら「第三者」にあたることを理由に物権変動を主張できないとすることは不合理な帰結を招く。

 

そこで、判例は、「正当な利益を有する者」という限定を加えて、妥当な結論を導こうとしたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(解答)

④③②

・3問20点。均等配点。小数点第1位を四捨五入。

 

 

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