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H20 – 45問(初級)


問題:不動産の賃貸借において、賃料の不払い(延滞)があれば、賃貸人は、賃借人に対して相当の期間を定めてその履行を催告し、もしその期間内に履行がないときには、賃貸借契約を解除することができる。また、賃借人が、賃貸人に無断で、賃借権を譲渡、または賃借物を転貸し、その譲受人や転借人に当該不動産を使用又は収益させたときには、賃貸人は、賃貸借契約を解除することができる。ただ、上記の、賃料支払いの催告がなされた場合や、譲渡・転貸についての賃貸人による承諾が得られていない場合でも、賃貸人による解除が認められない場合がある。それはどのような場合か。

 

(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)

 

問題文にある、賃借人が賃貸人に無断で賃借権を譲渡、又は賃借物を転貸したような場合には、民法6122項が解除を認めている。

 

また、賃料の不払いがあり、催告がなされ、相当の期間が経過した場合には、民法541条が解除を認めている。

 

従って、原則としては解除できることを確認しておく。そうすれば、問題文は例外について問うていることが明確になる。

 

賃貸借契約は、当事者間の個人的信頼を基礎とする

(①継続的②信用的③信頼的④生活的)契約である。

 

継続的契約は、一時的契約に比べて(量的な差にすぎないともいえるが)、契約関係が長く続く分、信頼関係が基礎になっている契約と類型的に位置づけられるのである。

 

そのため、一時的契約を念頭において制定された通常の民法の要件とは異なる要件が要請されることがある。

 

この一例こそが、判例によって確立した

(①信頼関係構築理論②継続的契約論③信頼関係破壊の法理④継続的契約の法理)である。

 

信頼関係破壊の法理とは、(少なくとも賃料不払や無断譲渡のような場合は、)通常の民法によって要求されている要件(債務不履行)のみならず、背信行為と認めるに足りない特段の事情を解除の要件として消極的に要求する見解である。

 

つまり、特段の事情の存在を立証することで、信頼関係が破壊されていないことをもし賃借人の側が立証できたら、債務不履行であったとしても解除権が制限されうることとなる。

 

なお、「~~と認めるに足りない特段の事情」という表現に注意すべき。原則として、賃料不払いや無断譲渡をすれば信頼関係は破壊されるのである。例外的にこのような特段の事情があれば判例は解除権の制限を認めているにすぎない。

 

 

 

 

 

 

 

(解答)

①③

220点。均等配点。

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