問題:Xは、Y県内に産業廃棄物処理施設の設置を計画し、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、Y県知事に対して設置許可を申請した。しかし、Y県知事は、同法所定の要件を満たさないとして、申請に対し拒否処分をした。これを不服としたXは、施設の設置を可能とするため、これに対する訴訟の提起を検討している。Xは、誰を被告として、いかなる種類の訴訟を提起すべきか。
(下記の問題解説の文章に選択肢が含まれているので、正しいと思う選択肢を選んでいってください。アプリでタッチすれば次々と文章が流れていく形式を想定しておりましたので、選択肢の直後に解答がある場合もございますが、それはご了承ください。)
Xは、Y県知事の行った申請拒否処分の効力をまず否定したい。そのため、申請拒否処分の
(①義務付け訴訟②取消訴訟③差し止め訴訟④民事訴訟)
を行う必要がある。
申請拒否処分の取消訴訟は、行政事件訴訟法11条1項により被告適格が定められている。
行政事件訴訟法11条1項1号は、処分の取消しの訴えの被告適格は、
(①処分をした行政庁②内閣総理大臣③処分をした行政庁の所属する国または公共団体④国)
にあると規定している。
そのため、本件において、被告適格が認められるのは、
(①Y県知事②Y県③国④内閣総理大臣)である。
「処分をした行政庁」は、「Y県知事」であり、その所属する公共団体は「Y県」だからである。
もっとも、取消訴訟のみを提起したのでは、申請拒否処分の効力がなくなるだけで、申請がなされた状態に戻るだけである。これは、Y県知事は、取り消された申請拒否処分に明示した理由以外の理由によって、再度申請拒否処分を行うことが出来ることを意味する。
これでは施設の設置を可能とする手段としては足りないため、Xは、取消訴訟のほかに、
(①違法確認訴訟②差し止め訴訟③民事訴訟④義務付け訴訟)
を提起する必要がある。
つまり、設置許可処分の義務付けを求めるのである。
そして、義務付け訴訟の被告適格は、38条1項に定めがあり、38条1項は、取消訴訟の被告適格に関する条文である11条を準用しているため、義務付け訴訟においても被告は、取消訴訟と同様に、Y県である。
さらに、義務付け訴訟は、矛盾判決防止の観点から、取消訴訟と別々に訴訟を提起することは認められておらず、行政事件訴訟法37条の3第1項2号により、取消訴訟と
(①連続提起②反訴提起③併合提起④同一提起)
の形で提訴すべきこととされている。
(解答)
②③②④③
・5問で20点。1問4点。